稲沢市議会議員のしちおうです。
稲沢市役所による行政手続きの不備によって、損害賠償が発生することになりました。
その経緯を報告します。
概要
2022年12月、稲沢市で放課後児童クラブ(学童保育)の受け入れを拡大するため、稲沢西小学校のプール跡地に第2児童クラブを建設することになりました。
プール跡地の半分は私有地であったため、地主との交渉が開始。その際、放課後児童クラブなど第2種社会福祉事業のための土地売買には税の控除が受けられる旨が説明されました(5,000万円特別控除などと呼ばれます)
特別控除を受けるためには、市が愛知県の事業認定を受ける必要があり、申請手続きが始まりました。2024年3月、県から「事業認定の要件は問題なし、申請図書の作成に取りかかって良い」旨の連絡を受けました。
ただ、ここで、より早く事を進めるために、県の事業認定を受ける前に土地売買契約を締結(事前に税務署に確認済み)2024年3月21日付けで土地売買契約を締結し、翌22日付けで所有権移転登記を行いました。
しかし、5月24日、県から「事業認定前に土地を購入した場合は、申請の受理はできない」旨の連絡を受け、特別控除の適用を受けることができなくなりました(細かく書くと、市が申請した事業認定は、土地に対して行われるもので、すでに所有権が移った土地に対して行なうことはできないと言う基本ルールがあります)
結果
約6,600万円の土地代にかかる予定だった税額控除額に加え、損害賠償によって生じたお金にさらにかかる税額を加味した約1,100万円を支払うことになりました。
2025年2月6日付で仮示談書の締結、3月5日の議会で冒頭議決されれば、支払いが行われます。
懲戒処分
市長および副市長の給与の減額 1/10 を3ヶ月、本件を担当した職員の給与減額 1/10 を1ヶ月
その上司である課長の戒告、部長の文書訓告
所感
本来であれば支払う必要のない費用を、みなさまから頂いた税金で支払わなければならないことを非常に、残念に思います。
事が起きてしまった以上、損害を受けた相手方に真摯に対応するとともに、責任の所在を明らかにした上で再発防止を図る必要があります。
現時点では、原因が個人の能力や資質によるものだと捉えられていますが、私はそうではないと考えています。仮にそうだとしても、次に誰が関わったとしても、同じようなことが起きないように手を打つことが本当の責任の取り方であり、再発防止に繋がるものと思っています。
私は今回の問題の本質は、本来であれば取らない手段を取らざるを得なかったことにあると考えています。つまり、事業認定前に土地を取得するという、イレギュラーな対応をしなければならなかったことが問題の始まりであり、そうせざるを得なかった要因。たとえば、放課後児童クラブオープンの日に間に合わせなければならなかった、他の業務に追われていた、初動の遅れ、上長の確認の有無など、を一つ一つ潰し、具体的な対策。たとえば、5,000万円特別控除を受ける際は、事業日の何ヶ月前までに① の作業に取りかかり、何ヶ月前までに② の作業を終えていなければならない、などの流れを組むなどを考える必要があります。
少なくとも、職員の認識不足で発生したことであり、勉強を徹底させるなどの対応では防げません。今回のように数十年に一度しか機会のない業務なら尚更。
事務作業の誤りに対して、しかも処分が下っていることに対して、言及することがはばかられる風潮にありますが、税金の支出をする以上、議員として再発防止策を考えることは必須との思いで、議会でお話する予定でいます。
以上、報告でした。


