【2025年12月議会報告】稲沢市でクラウドファンディングの活用進む

お知らせ

稲沢市議会議員のしちおうです。

議会報告の第二弾は、クラウドファンディングの活用です。

 

・クラウドファンディングとは

インターネットを通じて幅広く寄付を募り、共感を得た事業を実現する仕組みであり、住民とともに地域課題を解決する参加型の財源確保策のことです。

 

2021年に稲沢市はこのクラウドファンディングを活用して、「猫の避妊手術費補助」を始めました。

 

そして、2025年度に新たに三つの事業「猫の避妊手術」、「荻須記念美術館の所蔵品」、「市民会館の小ホールの音響設備」で行おうとしています。

 

【三事業の選定理由について】

最初の質問は、目的も分野も異なるこの三つの事業が選ばれた理由を尋ねました。

 

(答弁)

単に寄付を募るのではなく、市内外の皆さまの心に刺ささりやすい、共感性のある事業という観点から、2025年度に実施する事業の中から選定し、関係各課と共同で実施することとした。

 

【三事業の進捗率について】

2021年度の猫の避妊手術には、101人もの方から、181万2千円の寄付を頂き、2021年度〜2024年度までの4年間で計287匹の飼い主のいない猫に手術を実施することができました。

三事業の12月10日時点の進捗率は、概ね以下の通り。

 

いずれの事業も苦戦しています。

クラウドファンディングの終了まで時間があるので、報道機関への情報発信含め広報を強化するべきと問いました。

 

(答弁)

先日開催した定例記者会見において報道各社に対しリリースした。

また、10月に名古屋でPRブースを出展した際や、市内の各種イベント等においてもチラシを配布し、来場者に直接案内した。今後は、さらに市公式SNSを活用した情報発信を強化する。

 

この答弁のあと、議場の記者席に登壇開始時にはお見えでなかった新聞記者さんがいたので、私からも新聞で取り上げてもらえるようお願いしました(笑)翌日、中日新聞尾張版に掲載頂いたので、本当に感謝しています。

 

【寄付者に対するフィードバックについて】

クラウドファンディングで重要なのが、頂いた寄付金がどのように使われたのかを明確に示すことです。

2021年度に初めてクラウドファンディングをした時、「寄付者に対して結果の報告をし、もしもまた寄付を募ることになった際に信頼を次に繋げるよう」委員会で提言してきました。

その後、寄付者へのフィードバックがなされたのか、を問いました。

 

(答弁)

寄付者全員にお礼状の送付、寄付額に応じて感謝状の贈呈を行った。また、事業の成果は、補助事業の実績や道路等での猫の事故死の状況を市のホームページで公表した。

 

この答弁から、寄付者に対して、寄付した時に礼状を送るのみしかしていなかったことが分かりました。

事業の成果はホームページに記載されているものの、確認している人は多くないでしょう。

寄付によって、4年間で287匹の飼い主のいない猫に手術を行い、猫が車に轢かれて死ぬ不幸な事故が年間100件ほど減らせたという大きな成果を知っていたら、きっと寄付した意味を実感したでしょうし、今回の寄付にも協力して下さっていたかもしれません。


以上のことから、寄付増のための新たな戦略として二点提言しました。

 

【寄付増のための新たな戦略について】

まず、一つ目は、事業完了後にその結果を寄付者に伝えること。

もう一つは、以下に挙げるような返礼の検討を促しました。

たとえば、「猫の避妊手術」は、

・地域猫活動、譲渡会を案内して、団体と寄付者が同意すれば参加できる

 

「荻須記念美術館」は、すでに寄付額1万円以上、3万円未満には特別展のチケット、寄付額3万円以上にはチケットに加えて開会式の学芸員による作品解説を設定されていますが、

・寄付で購入した作品の先行公開に招待する
・希望者のみ、購入作品近くに寄付者の名前を掲示する

「市民会館」は、

・改修後の小ホールのこけら落としイベントに招待する
・希望者のみ、寄付額に応じて座席等に名前入りのプレートを付ける

 

(答弁)

物品としての返礼品ではなく、参加して良かったと感じていただける特典を充実させたい。

今後の新たな取り組みとして、事業完了後の成果報告と感謝のメッセージを寄付者へメールや郵便で送付します。

また、今回の美術館の特典のような見学会や報告会への招待など、寄付者に「自分もこの事業づくりに参加した」と実感していただけるような取り組みを進めていく。

 

【大里東小学校の建て替え事業について】

最後に、他事業への応用として、学校建設にクラウドファンディングを活用することを提案しました。

学校は最も身近で、最も多くの方が思い出を共有する場所なので、建て替えという大きな節目を迎えるいま、住民、卒業生とともに、子どもたちの未来を一緒に作る機会にできます。

 

たとえば、新校舎の図書室の蔵書を充実させるために寄付を募る。机や椅子など、学校の備品購入費を市内はもちろん、市外に出た卒業生に対して、ふるさと納税で募るなど。これらはいずれも他自治体で実例があり、効果が出ています。

返礼品も、工事を定期的にレポートにしてメールすることで完成を心待ちにしたり、完成後の内覧会に招待したり、寄付者の一覧を掲示したり、お金をかけずにできることがたくさんあります。

 

学校作りに自分も関わったという実感を得られることが、地域の絆をより強くすることに繋がるため、工事が始まろうとしている大里東小学校で実践することを提言しました。

 

(答弁)

クラウドファンディングは財源確保の面だけでなく、地域の拠点としての学校づくりに携わることで学校への愛着を持っていただくという面で、効果的な手法。

提案頂いた図書館の蔵書や児童生徒用の机椅子など学校備品等の整備も含め、改築事業に対するクラウドファンディングの活用手法について先進地を研究し、前向きに検討していく。

 

以上、質問の振り返りでした。

クラウドファンディングは、財源を補完するための単なる寄付集めに思われがちですが、「クラウドファンディングを通じて、地域の課題を住民のみなさんと共有し、みんなで公共サービスを支えていく」という理念こそが重要と考えます。

このことを忘れずに積極的に実施していっていただきたいですね。

つづきます。