稲沢市議会議員のしちおうです。
今日は引き続き、6月議会の振り返りをします。今回のテーマは、生成AIの利活用です。

国の調査では、昨年12月時点で、市区町村の約3割が議事録作成などの業務に生成AIを導入していました。「導入予定」や「検討中」を含めると、半数を超えており、役所の業務の補佐役として生成AIが一般化されつつあります。
稲沢市では、2024年度から2027年度までの計画の中で、生成AIの一種であるChatGPTの導入が明記されていました。具体的には、昨年度に業者選定、今年度にシステム導入・運用のスケジュールだったので、進捗状況を尋ねました。
(市役所の回答)
市の計画に基づき、あいさつ文を始めとする文章作成支援、また、アイデア出しなどができる生成AIシステムの導入に向けて、2023〜2024年度に、全職員対象の実証実験を行った。
結果、利用した職員の満足度は高かったものの、「まったく利用していない」、「一度だけ利用した」との回答が多く占めたため、2025年度の導入は見送った上で、実証実験を継続しながら職員への働きかけを行なっていく。
つまり、生成AIの実証実験で一定の効果は得られたものの、使う人と使わない人との差が大きかったということですね。
次に、市は計画で生成AIに「ChatGPTを使う」と明記されているものの、現在、生成AIの開発は激化しており、文書の生成に特化したものや、画像・動画の生成に特化したものなど、さまざまな種類のものが開発されています。
ChatGPTに限定せず、画像生成に強いAIを用いて広報の画像を作ったり、業務で使うことの多いMicrosoftOfficeの生成AIであるCopilotを利用したりすることが業務負担の軽減により繋がる可能性があると考え、ChatGPT以外の生成AIを用いる余地があるかどうかを尋ねました。
(市役所の回答)
計画を作った時点で、すでにChatGPT以外の生成AIの存在は認識していたが、最も知名度の高かったChatGPTの名を記載した。
目的は、職員の事務処理に係る負担軽減を図るためなので、ChatGPT以外の生成AIの導入は否定しない。
次に、生成AIの危険性についても議論しました。
生成AIは職員の業務負担を減らせる可能性を持つ一方で、事実に基づかない情報や、存在しない情報の生成、著作権の侵害や情報漏洩などの危険性があります。

しちおうのアクティブさを評価する一方、出身地などで誤った回答をするChatGPT。
したがって、生成AIの用途を文書の要約や作成などに限定したり、個人情報を入力しないよう定めたりするなど、運用上のガイドラインを作成する必要性を問いました。
(市役所の回答)
議員の指摘の通り、生成AIを活用する際には、その回答が事実に基づかない情報である「ハルシネーション」や、意図しない著作権の侵害に当たるかなど、その特性を十分に理解し利用する必要がある。
現時点では、生成AIの導入時期は未定だが、実際の運用時期の前までには、ガイドラインを作成していきたい。
次に、稲沢市の課題である「うまく使いこなせる人とそうでない人との差」に対して、本格導入後はさらにその差が広まることから、生成AIの理解を深める手ほどきをしてくれる人材の配置や研修の必要性を問いました。
(市役所の回答)
多くの職員は生成AIの有用性すら知らない状態。
そのため、各所属長が指名する主査職以下の職員から構成されたDX推進リーダー約60名に対し、生成AIの仕組みやその活用方法などを理解し、活用できるよう、研修を実施する予定。
関連して、教育委員会に学校現場での取り扱いについて聞きました。
(教育委員会の回答)
国のガイドラインが改定され、個人情報の取り扱いに留意しつつ、授業準備などで利用しても良いとなった。
一部の職員は、生成AIを通知文の下書きとして利用したり、学級掲示や校内ポスターの作成に利用したりしている。
児童生徒は、授業の中で生成AIを活用しつつ、留意すべきことも含めて学んでいる。
これに対して、私からは、読書感想文を生成AIに書かせたり、表彰がある課題に生成AIが使われたり、児童生徒や教職員の画像からニセの画像や動画が作られたりするなど、我々が思うよりも早く生成AIの問題に直面する可能性について言及しました。
課題は山積ですが、「禁止」ではなく、「どううまく付き合うか」が重要だと思うので、正しく恐れ、正しく使っていきたいですよね。以上、今時のテーマとして、生成AIの議会質問でした。


