稲沢市消防本部で再び発覚したハラスメント・不祥事について
― 組織の信頼回復に向けて、本当に必要な改革とは ―
本日の新聞報道で、すでにご存知の方も多いと思いますが、稲沢市消防本部において、勤務時間中のボードゲームの強要を含む複数のハラスメント行為と職務専念義務違反が明らかになりました。
市民の生命と財産を守るべき組織において、このような事案が起きたことを。そして、それが一度ではなく、何度も繰り返されていることを、私は非常に重く、そして残念に受け止めています。
今回の件は、単なる勤務中の規律違反にとどまりません。
調査報告では、以下の行為が認定されています。
- 勤務中のボードゲームへの参加強要(パワーハラスメント)
- 発覚時の口裏合わせの強要(隠蔽の圧力)
- 特定職員への冷遇・無視の強要
- 家族写真を加工し、他職員へ見せる行為
- 業務日報への虚偽記載の指示
特に問題なのは、これらが2024年7月から2025年1月まで、およそ半年にわたり継続していたという事実です。
一部の職員は、勤務時間中にホードゲームを14回・延べ35時間。本来、仮眠をとる時間にも行っていたことが確認されています。
以前から続いてきた消防本部の課題
稲沢市消防本部では、以前からハラスメントや不祥事が続いており、わたしはこれまでも議会の場や個別の働きかけを通じて、この問題を繰り返し指摘してきました。
そして今年度、4月から、ようやく外部にハラスメントの相談窓口設置を実現できました。
内部だけでは相談しにくい、声を上げにくい職場環境を変えるための、大きな一歩になると考えています。
だからこそ、その矢先に…
今回のような事案が公表されたことが無念でなりませんし、問題の根が深いことを改めて思い知りました。
「個人の資質」の問題で終わらせてはいけない
今回、市側は主たる加害職員1名を停職1か月とし、他の関係職員にも処分を行いました。
もちろん、当該職員の責任は重大です。
しかし、私はこれを個人の資質だけの問題として整理してしまうことに大きな懸念を持っています。
なぜなら、
- 半年間にわたり継続していた
- 複数の職員が関与していた
- 管理職を含めて止められなかった
- 隠蔽の圧力まで存在した
- 過去の別のハラスメント調査を終え、その対策中に発生していた
という事実は、明らかに組織の自浄作用が機能していなかったことを示しているからです。
つまり、問題は一人の職員だけではなく、
「声を上げられない職場風土」
「上司が異常を見抜けない管理体制」
「不適切行為を見て見ぬふりする文化」
にまで及んでいる可能性があります。
ここを変えなければ、形を変えて同様の事案が再発する恐れは否定できません。
再発防止策は“実効性”が問われる
消防本部は再発防止策として、
- 不祥事防止宣言
- 行動指針の策定
- 倫理・モラル研修
- ハラスメントアンケート
- 所属長面談
を掲げています。
本事案を把握できたきっかけが所属長との面談であったことからも、方向性として必要な施策ではあります。
ただ、わたしはもちろん、市民のみなさんも、
「これで本当に二度と起きないのか」
ここが最大の論点ですし、不安を感じているのではないでしょうか。
宣言や研修だけで組織文化が変わるほど、今回の問題は軽くありません。それだけで変われるならば、もうとっくに解決しています。
重要なのは、
- 相談窓口が実際に機能しているか(今後は外部相談窓口も含めて)
- 通報者が不利益を受けない仕組みがあるか
- 管理職評価に職場環境改善を反映するか
- 定期的に改善状況を調査・報告できるか
といった、検証可能な仕組みづくりです。
市民の信頼を守るために、引き続き注視します
消防は、市民の命を守る最後の砦です。
その組織内部でハラスメントや隠蔽体質が続くことは、市民の安全と信頼そのものを揺るがします。
そして、何度も言っていますが、ほとんどの職員は一生懸命、命懸けで働いてくれています。
真面目に働いている職員が、正当に評価される、働きやすい環境を作る必要があります。
わたしはこれまで同様、この問題を一過性の処分で終わらせず、
組織改革が本当に進むのか、議員として厳しくチェックしていきます。


